2021.11.28
・旧友と飲んだときのことをまだ考えている。
・会話がひと盛り上がりしたあと、うっすらと静まり返ったタイミングで、一人が急に「海外行きてえなあ」とか「会社員辞めてえなあ」とか言うので、「急にどうした?」とか「なにも武器持たないで走り出したな」とかツッコミを入れて笑いになっていた。そんな自分に対して少し後悔するような気持ちがいまでも残っている。
・なぜならどう考えても、「海外行きてえなあ」と切り出すことの方が勇気がいるし、その場における「手柄」であるのに、どこかで見たような安いツッコミを入れることで、ゴールが決まってしまうからだ。笑いを掠めとっているような感じがある。
・ボケにはきっかけがない。ボケは常に先攻だ。それゆえにボケは尊い。ツッコミはお膳立てされた不合理を元の位置に戻す行為だ。近頃はお笑いの世界でもツッコミの魅力がフィーチャーされがちだ。しかし、いまこそボケ力を取り戻さなければならない。ボケは勇気ある行為なのだ。
・最近、誰と話してても黙りこくってしまう。話題を切り出す勇気がないのと、熱意を込めて語るほどの話題がないからだ。ツッコミとはメタレベルに立つことであるが、メタに立てば立つほど何もかも虚しく感じられる。もっと突拍子のない存在にならなければならない。